医療法人大和会西毛病院様は、昭和41年に当時まだ精神科病院の整備されていなかった群馬県西毛地域に精神科単科病院として開院され、以来半世紀にわたって地域の精神科医療に携わってきました。
平成元年に地域の高齢者介護のニーズに応えるために富岡市岡本に老人保健施設(現在の介護老人保健施設)ミドルホーム富岡を開設し、平成11年には認知症および高齢者医療・介護に対応するために認知症療養病棟、医療療養病棟を増設、さらに平成19年には現在の本館を新設して入院療養環境を整備し、内科療養病棟、介護医療病棟を増床、認知症治療病棟を開設しました。
現在、世の中は急速な高齢化と認知症患者の増加がクローズアップされ、医療・介護のニーズは多様化しています。特に認知症については、生活に支障をおよぼす諸症状のために一般の高齢者施設やご家庭では対応が難しいケースが増えてきています。このように、同法人の活動は、精神疾患や認知症患者、高齢者の方々の暮らしを支えるために、その時に必要とされる医療・介護を提供し、ご本人やご家族がより安心して安全に望む形で暮らしていただくことを目指しています。
ベトナムで面接したときはほんとにカタコトしか話せなかった彼らが、日本語学校を経て今年の春、高崎市内の介護の専門学校を無事に卒業してくれました。来日から3年間、日本語もかなり上手になり、日本の生活にも慣れて、この春から頑張って仕事をしてくれています。彼らの成長を目の当たりにして、採用して良かったなと。
大石様:日本語学校時代は特に心配はなかったですが、介護専門学校の専門教育は外国人にとっては難しく、なかなか勉強に苦労していたようなので、なんとか無事に卒業してくれてホッとしています。
また、学校と当院が少々遠かったので、学校に通いながら当院でアルバイトをすることができませんでした。代わりに病院の夏祭りなどのイベントに参加してもらったり、入職前から職員との交流も進めていくことで、入職はわりとスムーズにいけたと思います。
大石様:そうなんです。先に3名の入国はできたのですが、そのあとの追加がコロナで来日の目処が立たなくなって困っていたところに、ちょうど石原さんからお電話をいただき、特定技能介護の話を聞いているうちに、直感的に「これはイケるな」と。それで、すぐに関係部門と上層部に説明を行い理解を得た上で、かなり見切り発車的に特定技能介護の導入を進めました。
大石様:スピード勝負で進めたので、院内の調整はいろいろと大変でしたし、特定技能は初めてなので、特に入管への申請書類の作成など慣れない事務処理もありましたが、登録支援機関としてアイメイドさんにいろいろとサポートいただいたのと、先に中国人の技能実習生を受け入れしていた経験が少なからず役に立ったと思います。
大石様:採用の進め方や人選、人材の管理については石原さんに都度ご相談しつつ。書類作成においては事務担当の大山さんや岡嶋さんにもサポートいただき人事の須藤もとても助かっています。日本語でのコミュニケーションが難しい部分はランさんにもベトナム語の通訳や翻訳でしばしば助けていただいています。
こうしたことを自分たちだけでやろうとすると大変です。いろいろとお任せでき、サポートいただけるのでとても助かっています。
良い人材がいればすぐに面接をしての繰り返しで、短期間で20名を超える人数を確保することができました。ほぼ全員が介護は未経験の元技能実習生ですが、来日して3年や5年で一定の日本語力があり、日本の生活にも慣れているので受け入れは思っていたよりスムーズでした。技能実習生の受け入れの時の方が、本人たちも我々も何もかも初めてだったので大変でした。。。
また、特定技能介護になった彼らは、日本の企業で働いてきた経験もあるので、指示を聞き取り、動ける力も備わっています。ここは一緒に仕事をしていく上で重要です。
あとは、とにかく、真面目で意欲的に頑張ってくれます。新しい介護の仕事もどんどん覚えて吸収していく様子を見て、採用して良かったなと。最初は戸惑っていた職員もだんだんと理解してくれて、とても協力的にかかわるようになっていきました。コロナの感染症対策などで現場の負荷が大きくなっている中で、技能実習生の来日の予定が立たないままコロナの終息を待っていたら、人員計画の変更を余儀なくされていたでしょう。
職場の雰囲気がよく、採用条件もマッチングしたので、結果的に入職者の友人、恋人、奥さんとか、口コミによる紹介によって増えていったのも結束力が固めやすかったかと思います。
大石様:入職者からの紹介というのはある意味安心ですね。自分が働いてみて良いと思うから紹介してくれる。そういう感じで仲間意識も強まっていく。近年、日本人の採用でも紹介(リファーラル)での採用を重視する動きがありますが、まさにそんな感じの好循環でした。
大石様:まず、引っ越しの寮の受け入れ時に、LINEグループに登録をしてもらいます。LINEは所属組織や目的によってグループを使い分けています。報連相をスムーズに行うことができたり、病欠などの連絡も取りやすいので、コミュニケーションツールとしてとても重宝しています。
とは言っても、彼らも日本に来てまだ3年か5年。日本のルールやマナーに関してはまだわかっていないこともあるし、若い外国人なのでたまにはハメを外したくなることはあります。何かトラブルが起きたときは彼らと真剣に向き合って話をすることで、理解をしてくれます。彼らにとってはお父さんみたいな年代なので、そういった態度で接しやすいのもあります。
あとは、彼らの悩みの相談に乗ったり、ちょっと元気がないなと思ったら本人に声がけしたり、職場の責任者と相談をしたりで、早め早めに解決していくことも大事ですね。
ただ、日本語で十分に伝えきれないことや、ベトナム人の考え方や心理を完全に理解するのは難しいこともあるので、そういう場合はランに助けてもらっています。やはり、母国語かつ近い世代のベトナム人同士で理解しあえる部分は大きいかと。私自身も彼女から教えられることは少なからずです(笑)
大石様:私もランさんがいてくれるととても安心感があります。困ったときに通訳でフォローしてくれたり、院内の通知文書など、必要に応じて翻訳をいただいたりで、とても助かっています。
特に今回はコロナという特殊な状況で、彼らも技能実習生のときには経験のなかった病院という特殊な環境の中で、感染症への対策や生活上の注意などストレスが溜まることもあるでしょう。でも、お年寄りや介護が必要な方々のお世話をするだけが仕事ではない。特にコロナ禍においては、医療従事者としてお年寄りや介護が必要な方々の「命を守る」ことの大切さを私も常日頃から伝えるようにしています。
大石様:コロナにおけるリスクについては、繰り返し、周知徹底し、理解させていくことが大切ですね。
大石様:外国人人材を採用する上で、もちろん採用時のビザの問題とかありますが、最大のポイントは入職後の教育、指導と定着化だと思います。そのためには自分たちだけではどうしても限界がある。特に特定技能のような新しい仕組みはなおさらだと思います。
最初は顔を合わせたら挨拶するだけでもいいんです。顔を合わせて、声を掛け合っていれば、しだいに心も通じるようになる。国や文化は違っても同じ人間ですから。
大石様:教育、指導についても、各現場に責任者や担当者を置くことで、しっかりと計画的に実施することができると思います。ただ人手不足だから外国人を採用するというのではなく、新人スタッフとしてしっかりと教育、指導しながら、特定技能の彼ら自身も成長していく。何事も基本が大事ですね。
大石様:日本語力や仕事への適応力は個人差はありますが、成長する意欲さえあればなんとかなります。彼らには意欲が備わっていると思います。
大石様:知識では介護専門学校で学んだ留学生の方が上ですが、ハングリーさでは技能実習生ですね。チームワークを発揮し、お互いに切磋琢磨をしながら高めあってくれれば良いと思います。
大石様:特定技能は5年間の就労期間がありますが、3年経過で実務者研修を修了すれば、介護福祉士の国家試験の受験資格が生まれます。日本人にとっても難しい試験で外国人ならなおさらですが、やる気のある彼らは支援をしていきたいと思っています。介護福祉士に合格できればずっと日本で働けるので。
当社も登録支援機関として、日本語教育の機会を提供しています。まずは、E-learningの自習型のコンテンツから。また、必要に応じて、日本語教師による直接の対面型の指導も提供していきます。
大石様:日本語力の向上は仕事にもプラスになるので、ぜひ、よろしくお願いいたします。
大石様:こちらこそ、どうぞよろしくお願いいたします。必要であればこちらもノウハウや経験の部分でそちらの病院様をサポートできるかと思います。